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Milly-la- Foret (ミリ・ラ・フォレ)
2.Milly-la- Foret(ミリ・ラ・フォレ)
フォンテンブローの西12~3Kmの静かな町です。ここにはジャン・コクトーが眠る古めかしい石造りの小さなチャペルがあります。もとは十字軍の兵士が持ち帰ったライ病にフランス一の効き目があるとされているこの地の薬草(les Simples サンプルと言います)を使用し治療した施療院付属のチャペルでした。その後打ち捨てられていたものを地元民が協力して再建し、住民であったコクトーに内装を依頼しました。(1959年)コクトーは壁面に実在する薬草のデザインを施しています。2本のリンドウとこの地の名産ミントに囲まれた入り口にはMillyとMenthe(ミント)のMが記されています。チャペルの名称のサン・ブレーズ・デ・サンプルは4世紀に殉教した薬草で病気の患者や動物を治療した聖ブレーズにちなんでいます。祭壇には棘の冠のキリストとその上には復活するキリストと坊主頭の大きな羽根を持つ天使、気持ちよく眠るローマ人兵士が描かれています。みな表情がとても穏やかで、壁一面に描かれた薬草の色調と相まって大変心静かな雰囲気を醸しだしています。
入口側の壁左下隅にはコクトーのサインが書き込まれた猫があたかもチャペルの守護神のように天を見上げています。庭には多くの薬草が手入れ良く栽培されています。
ここから車で5~6分のところにジャン・コクトーの終の棲家があります。広い庭に綺麗なバラ園がありハーブティーが味わえます。
メモランダム:コクトーは彼の名を冠す美術館がある南仏マントンの名誉市民です。マントンの市民からすれば何故ミリー?となるのかもしれませんが、チャペル内の墓石はマントンの市長が贈呈したものです。一方、薬草園やミュージアムショップの様子からするとミリーの住民も大変協力的なようでミュージアムの売り上げは社会活動に寄付されているとのことです。
内装を依頼された時、コクトーはミリーに相応しいのは薬草だとテーマを薬草1つに絞り、天に届く祈りとして様々な薬草を描いたようです。コクトーのシンボルマークともなる愛嬌のある猫がなんとも可愛いです。
チャペルに流れる解説は彼の生涯の友(?)ジャン・マレーが録音しました。
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